まちづくり?
 このページは、日常の都市計画業務の中で感じたことをつれづれなるままに書き記したものです。  個人的独断的な意見ですのでそのつもりでご覧下さい。
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コンサルタントをつかまえる
(1)コンサルタントをどう探したらよいか

 まちづくりを考える人は、普通、自分達だけでそれを進めようとは考えないと思いますが、商店街のまちづくりなど、組織を牽引する人々は、比較的自分に自信をお持ちの方達が多いようです。実は、そういう(誤った)自信が、まちづくりをややこしくし、頓挫させていることも多いのです。
 例えば、まちづくりのイメージを構想するのに、知り合いの一級建築士に安易に頼んだりしていませんか?一級建築士と言ってもそれぞれの力は歴然としているものですし、それぞれの得意分野もあるのです。何らかのコンペを実施してみれば、そのあたりの差はすぐにわかるでしょう。それに、十分な検討もしないで作成するそんなイメージなど「百害あって一利なし」だということを判ってください。
 普通、商店街のまちづくりをお願いするのに、あきらかに専門の異なる人に依頼することなんて、どなたも考えないでしょう。やはりコンサルタントは最もふさわしい人を慎重に選んで欲しいものです。

 別のところで改めて書こうと思っていますが、一言でまちづくりコンサルタントといっても、専門家から見れば、様々な分野があり、同じ問題に対しての取り組み方も様々なのです。私に言わせていただければ、コンサルタントを選択した段階で、そのまちづくりの先行きが見える程なのです。
 しかも、まちづくりの当初は、コンサルタントに依頼する費用すらないことが普通です。そうした中で、知り合いの一級建築士や中小企業診断士にサービスでやって欲しいなどと頼んでも、無意味だということを知って欲しいのです。

 現在、まちづくりへの意識の高い自治体では、コンサルタント派遣制度というのを持つようになっています。初動期では、何とかこの制度を使うことが最も望ましいと考えています。
 それができなければ、せめて、どのようなコンサルタントに依頼できるのか、役所に相談してみてください。関係部署であれば、きっとどなたかを紹介していただける筈です。

(2)どのようなコンサルタントを選ぶか

 実は、これが最も難しいのです。役所に相談して選んでもらったとしても、専門家の目から見れば、「もっと良い人がいるのに…」ということに必ずなることでしょう。本当は、自分を押し売りしない謙虚なコンサルタントに相談できるのが最も望ましいのでしょうが…。

 専門家に頼めば費用がかかるのは当然です。しかし、様々な人件費のことを考えれば、役に立たない素人の人件費より、遙かに効率の良い人件費になる筈です。それに、弁護士費用などと比べれば、今やまちづくりのNPOが乱立している時代でもあり、はるかに安くお願いできる筈です。
 多少の費用は覚悟しなければなりませんが、ねばり強く最適なコンサルタントを選んでください。それこそが今後の成否に係っていると思っていただいて良いと思います。

 そうした費用すら準備できないのであれば、まちづくりは自分たちで苦労しながら進めることを覚悟しないといけないかもしれません。

(3)コンサルタントに何を期待すべきか

 コンサルタントは、今後のまちづくりの戦略を持ち、具体的な戦術を持てる人でなければなりません。
 つまり今後のまちづくりの目標像を持ち、そのためのスケジュールを描き、手順・方法を具体的に提示し、必要な費用をどのように確保できるのかを考えられなければならないのです。
 そうした役割をこそ、コンサルタントに期待すべきです。

 まちづくりには、それができる人がどうしても必要になるのです。
 しかも、まちづくりに係わる人々の意見・考え方を良く把握し動かせる人でなければなりません。
 「何でも私にまかせておきなさい」式の人ではダメですし、「あなた方に言われるがまま動く人」でもダメなのです。
役所を巻き込む
(1)なぜ役所を巻き込むのか

 「まちづくり」の目的はあくまでも「公共の福祉の向上」にあります。つまり「大義名分」が必要なのです。自分たちの利益のためだけであればあなた方が勝手にやれば良いことです。
 しかし、そこに居住する人々皆が幸せになれることが確信できる「まちづくり」であれば、それには何らかの公的支援があってしかるべきでしょう。
 公的支援とは、一般的には、まちづくり事業への補助金や融資等の助成だと思われがちです。もちろんこうした公的な助成は、まちづくり事業の強力な促進剤になるものですが、公的助成とはそうした物理的なものだけではありません。例えば、まちづくりに係る様々な相談から様々な仕事の助け等も公的助成として考えることができます。
 そのように「まちづくり」というものは、自分たちだけで動かすより、積極的に役所を巻き込み、公的助成を受けられるように働きかけた方が、まちづくりの大義名分が明確になりますし、まちづくりの実践にとっても有利に働くものなのです。
 つまり「役所の協力(公的助成)」は、まちづくりの「大義名分」とは密接な関係を持っているものなのです。

(2)どのように巻き込んだらいいか

 今や、役所は、自らまちづくりを行う組織ではないと考えた方が良いでしょう。市民の積極的なまちづくりの動きを支援する組織だと考えた方が良いでしょう。それを待っていると言っても良いかもしれません。

 役所にまちづくり相談に行けば、きっと関係するまちづくりに最適の部署を紹介してもらえると思います。そこでざっくばらんに相談されるのが良いと思います。
 ただ、過大な期待は禁物です。必ずしも、窓口の担当は積極的に対応してくれるとは限らないからです。
#前向きに対応してくれる人の方がはるかに少ないですし
#役所というものは、市の政策方針(総合計画等)に合致したものでないと動きが鈍いですし
#毎年の予算編成のため、当年度にはお金がつかないものです。


 しかし、最初は時間がかかるように思うかもしれませんが、一旦動き出せば、組織としてねばり強く動き始めるのが役所なのです。役所は役に立たないと、あきらめたりバカにするのではなく、ねばり強く、まちづくりという大玉を転がすために皆で力をこめることが重要です。
 そのためには、過大な期待をせず、まちづくりを具体的に動かしていくために、以下のような点について相談をしていくのが良いと思います。
・諸会議の動かし方、会場、配付資料
・コンサルタントの紹介、その方法
・今後のまちづくりに向けての動かし方 等

 まちづくり事業をうまく動かしている地区(商業地等)は、それを上手にやっているものなのです。 そのまちづくりを(全市的にも)応援すべきものだと、いかに皆に思わせるか…、それがまちづくりのリーダーたる人々の重要な役割の一つだとお考えください。それがあなた方のまちづくりを成功に導く重要なカギでもあるのです。

(3)役所を巻き込む必要のない場合

 やや蛇足かもしれませんが、この場合についても述べておきましょう。

 これまでは、比較的広範囲の地区のまちづくりで、多数の権利者がいる場合を想定して述べてきました。
 しかし、もしあなたが考えるまちづくりが、以下の3つのケースに当てはまるなら、あえて役所を巻き込む必要はないかもしれません。
 ただ、事業を動かすにはそれなりの専門的な知識・知恵が必要になるでしょう。それをどこから得たら良いのか十分お考え下さい。
 また、事業の規模によっては周辺の住民に何らかの影響を及ぼすことになるため、その配慮を忘れないようにしてください。

・資金的な手当が自分たちで可能な場合
 何らかの補助金・融資等の助成を期待する必要がなければ、自分たちでどんどん進めれば良いことです。
・短期に事業を実施したい場合
 資金を投下するような事業は、可能な限り短期間に完了し、資金回収を図る必要があります。一方、(とりわけ資金的な助成を期待して)役所を巻き込むと言うことは、様々な手続きを必要とすることです。当然、様々な時間・手間を費やすことになります。特に単年度財政で動く役所を相手にするためには、補助金等獲得のためのスケジュールを考慮する必要があります。これが無駄とも思われるような時間を消費してしまうことが多いのです。
・制度的な変更を必要としない場合
 現状の各種制度の枠内で動くことであれば、必要な手続き・手順で雨後けが良いだけですから、役所を巻き込む必要性はあまりないでしょう。しかし、現在の制度を緩和した開発事業等を考えるなら、これは役所を巻き込んで行かないと殆ど不可能となってしまいます。
まず人を集める
 まちづくりを考えるとき(まちづくりの発意)、最初は個人かもしれません。
 しかし、まちづくりは一人ではできないものです。大抵の人は、まずどう行動していいかわからないのではないでしょうか?
 もしあなたが、自分一人で皆を動かしていくことができると仮に思ったとしても、自信を持ちすぎてはいけません。一人で最後まで皆を導いていくのはまず不可能です。また、いくら熱心にやっていても、「勝手にやっている」と思われたら、それを修復するのは大変むずかしいのです。

(1)まず、賛同者を集めてください
 もし、あなたがまちづくりへの理想をお持ちであっても、まちづくりに向けて他の人々を動かしていく自信がなければ、自分の考え方に賛同してもらえる人を探してください。
 最低限3人は欲しいところです。3人以上なら一応、単なる思いつきとしての行動じゃないと考えてもらえると思うからです。
 いずれは、関係者に認知してもらう手続きが必要になると思いますが、とりあえず、あなた達に、まちづくりのリーダーとしての覚悟を持って欲しいところです。

(2)自分(たち)の考えだけで具体的なまちづくりを進めようと思わない方が良いでしょう
 いくら熱心な賛同者が集まったとしても、自分たちの考えたまちづくりが絶対だと思わない方が良いでしょう。
 まちづくりを動かすには、それなりの専門家や市の協力も欲しいことが起きるものです。できるだけ、そういう人たちを巻き込んだ体制をつくっていくことが望ましいと思います。
 専門家は様々な知恵を持っているものですし、自分たちが思いもしなかったような提案があるかもしれません。そういうものを積極的に取り込んでいく度量がリーダーには欲しいものです。
 また、まちづくりに必要な資金や仕組みをつくっていくには、役所の協力が必要だと考えてください。役所の人々が自分たちに無理解だと思いこんでしまうより、あくまでもねばり強く協力を求めていく方がはるかにメリットが多いものです。専門家をどのように引き入れることができるか、ということも役所でアドバイスしてくれるかもしれません。

 これまでの経験から見てもっともまずいやり方は、何かを思いついてそれを自分たちの考えた方法だけで動かしてしまうことです。
 熱心さは結構なのですが、結局は拙速や思いつき行動の範囲を出ず、目標に達する成果を見ないことが多いのです。
 もっと多くの知恵をうまく取り入れた方が、結局は目標に近づくことができるのです。
まちづくりの初動期をどうするか
 「まちづくり」とは、人々の権利・財産に触れるものですのでどうしても「お金」がかかります。また、一人で行うものではなく、複数の人々の意思を一つにまとめないとならないので皆が「納得」できるものでなければなりません。さらに、まちづくりと呼ぶからには、何らかの形で、「社会的に正しいことを実現するものであること(大義名分)」が求められます。
 これを、以前の会社の上司は、まちづくりを実現するための3要素として呼んでいました。つまり一般的には「事業費」「合意」「公共性」と呼ばれるものです。私はコンサルタントの端くれですので、これに「マネジメント」を加えたいと思います。





 まちづくりは、多くの場合、地域の少人数の話し合いから始まります。大抵の場合、熱心なリーダー(達)がいて他の人々を巻き込んでいくのですが、この時期をどのような見通しのもとに、どのような手順・方法で動かしていくかが極めて重要なのです。しかも単に会合を開くだけでも場所代、コピー用紙代、飲み物代等、様々な費用がかかっていきます。そして、ちょっとまとまった考え方を整理するだけでもそれなりの人々が動く費用がかかるのです。
 以前、商店街のまちづくりなどで話しをする機会がある時。私は、その商店街が振興組合等何らかの法人組織になっているかどうかで、今後の可能性を判断してきましたが、残念ながらそれは殆どはずれたことがありません。
 つまり法人組織であるということは、以下の条件を持っているからです。
(1)何らかの共同事業の実績を持っており、どう動けば事業を動かすことができるか一定の判断が可能である。
(2)事業に必要な資金の融資を受けることもできる。


 しかし、任意団体の場合には、まちづくりについて話し合いをした経験もなく、一度は話しを聞いても、経験不足・話し合い不足もあってそれを動かす方策を見出すことが難しく、事業に必要な資金の借入さえもできないことが殆どなので、少数の人々の気持ちは積極的であっても結局は話しを聞くだけで終わってしまうのです。
 しかも、こうした場で話しをする人の多くは、実際にまちづくり事業を動かした経験の無い「専門家」ですから、彼の専門での景気の良い話しをし、聞いている人々も何か判ったような気になって時間を過ごすという、私に言わせていただければ「講演のための講演」で終わってしまっているのです。人生の一時を何らかの充実感を感じていたいだけならこれで良いでしょう。しかし、私にはどのようなテーマであろうと、これがまちづくりにつながるものであるとはどうしても思えないのです。

 これが住宅地の場合には、まちづくりというものが一層難しいものになることはすぐにわかってもらえることでしょう。まず、商業地のまちづくりは、「商売上のメリット」という動機が明確なのに、住宅地の場合には地域住民の「共通の動機」を見出すことすらむずかしいのですから…。

 こうした状況の中で、私が考えるまちづくりは具体的に動かしていくまちづくりであり、そのためには、次のような要素が必要であると考えています。

(1)まちづくりを進めたいと思っている少数のリーダー
 横浜の元町商店街では3人の若手リーダーが、それまでの体制を覆してまちづくりを進めて来たと言います。湯布院のまちづくりもリーダーは3人であったということを考えれば、「最低でも3人」というのは、単に一部の人間がやっているのではないというように周囲に思ってもらうために必要な人数かもしれません。
 これは言わば「合意形成」の前段です。

(2)一緒に戦略を考え進めていける専門的協力者
 コンサルタントでも、市の職員でも良いのです。今後の戦略を明確にし具体的に作戦を立て、遂行して行ける協力者としての専門家が必要になる筈です。
 事業推進のために必要となる資金的なことを考えるとともに、皆で考えていることをまとめ人々にわかってもらうように表現していくには、できれば両方が係われるような体制をつくることが望ましいと思います。
 これらは言わば「マネジメント」であり、「公共性」「事業費」の前段にあたるものだとすることもできると思います。

#首都圏内の市では「コンサルタント派遣制度」を設け、少しでもこうした動きを助成しようとしています。それはそれで結構なことなのですが、その派遣回数が数回に限られていること、派遣される専門家も様々であり最適な人材とは限らないこと、などの問題があるのが一般的なのですが…。

 こうした人々が集まり一定の準備が出来たとき、初めて「まちづくり」へと動くことができるのです。

 これまで多くの場合、行政主導によって、○○地区の計画が策定され、そうした経緯の中で人々の合意が形成されてきた地区では、何らかのまちづくりが動いてきたことは確かです。
 しかし、その一方では、膨大な調査費が何ら成果をみずに費やされてきたことも確かであり(その最も大きな理由は単年度単位の調査費にあると思っているのですが)、今後の財政事情を考えれば、行政がそのような係わり方ができないことも明らかです。となれば、行政ができることは「住民自らの発意によるまちづくりの動きをサポートする体制をいかに準備していくか?」ということであり、その前提として、住民としては、いかに「住民のまちづくり意思」を示すことができるかが重要になると思われます。

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