まちづくり?
 このページは、日常の都市計画業務の中で感じたことをつれづれなるままに書き記したものです。  個人的独断的な意見ですのでそのつもりでご覧下さい。
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第3ステップの目標:組織を維持する
 一般的には、まちづくりは、ある目標とする事業の完了をもって終了すると考えられがちです。しかし、まちは人々の生活の場そのものですから、その後の長い年月、それが生かされなければ意味がありません。
 例えば、市街地再開発事業で立派なビルが完成しても、近年の変動の激しい経済環境の中では、ビル経営がうまく行かなければ、リニューアルを頻繁に繰り返さなければビルの活力が維持できないということもあります。もっと身近な環境では、住民管理を条件に公園の再整備を行っても、住民が高齢化するにつれて管理が継続できなくなり、結局、市に管理をしてもらわなければならないという例もあります。その他、商業地のまちづくりでも同様のことが問題になってくる筈です。
 即ち、まちづくりとは一過性のものではないのです。常に活力を維持し、必要な更新を必要なタイミングで図っていくためには、それを支える組織を維持するということが極めて重要であるということを明確にしておきたいのです。

 ここでは、私が考える「まちづくり組織が望まれる局面」を適宜とりあげて述べていきます。

(1)事業的なもの(市街地開発事業等)

 専門的には、市街地開発事業とは、市街地再開発事業や土地区画整理事業等の法定事業を言います。
 市街地再開発事業では、その後のビル経営のために管理会社が不可欠であるとの考え方が一般化していますから、ここで敢えて述べる必要はないでしょう。
 一方、土地区画整理事業では、事業終了までは組合組織が維持されます。しかし、その後、まちづくりの具体的姿を示す住宅等の立ち上がり段階をコントロールするものがあまり明確にはなっていないのです。制度的には、地区計画やまちづくり協定等が住宅棟の立ち上がりをコントロールしていくものなのですが、本来は、そうした制度をきちんと運営していくための組織の維持と運営こそが重要だと考えるべきでしょう。

(2)商業地のまちづくり

 商業地のまちづくりについては別の機会にも述べる予定なので、ここでは組織論に限定しておきましょう。

 商店街のまちづくりには、「事業の実現」と「商業活動の維持」の2面があると思われますが、まちづくりの組織を考える場合には、ここが重要だと思います。
 「事業の実現」つまり「新しいまちづくり事業の推進」は、それまでの環境の更新(ある意味では否定でもある)になるわけであり、「商業活動の維持」の組織とは全く異質の考え方が求められます。新しいまちづくり事業の推進のための組織が、若者中心となることが多いのはそのためだと思われますし、その際、若者層と年寄り層の対立が起こるのも多くの事例が示すとおりです。
 重要なのは、商業活動を維持してきた組織(大抵の場合、かって若者の時代にある事業を実現してきた世代)が、次の時代を担うまちづくり事業の実現を進めるための新鮮な感覚を持ち続けることができるかどうか、あるいは自分の感覚が古くなっていることを認め、若い世代に権限を円滑に移譲できるかどうかになってくるでしょう。
 しかし、多くの商業地のまちづくりには、これがうまくいかず新しいまちづくりの支障になっていることが多いのです。

(3)新しい住宅地のまちづくり

 上述した、土地区画整理事業の住宅地では、新築住宅の形態を誘導していくために「地区計画」が定められることが多いと思います。美しく住みやすい住宅地を築いていくためには、私個人としては、少なくとも、もっと詳細な事項を定めた「まちづくり協定」を同時に定めていくことが必要だと考えていますが、さらに重要だと思っているのが、こうした協定を実質的に運営していく「まちづくり委員会」といった組織です。
 つまり私は、まちづくり協定を定めることにより、「まちづくり委員会」という、まちを維持していく組織を形成することができることが重要だと考えているのです。さらには、この組織が本来のまちづくりを真剣に考え続ける組織であって欲しいと思っているのですが、実際にはなかなかそうはいきません。でもまあ、全くないよりはマシかと考えているのですが…。

(4)既存住宅のまちづくり

 安定して育っているまちのように感じていても、様々な要素がその安定の存続を難しくすることがあります。例えば、地域のニーズに合わなくなった公園を更新したいといった内発的な要素や、都市計画提案制度等まちを支えるべき制度的変更、隣接する工業地に突然起こったマンション開発等の外発的な要素です。
 一般的には、既存住宅地には町内会的な組織しかありませんから、それがそのまままちづくりを検討する組織にはなり得ません。また、地域の人々も、「まち」の基本的なイメージについて共有できるものがありませんから、侃々諤々の議論から開始することになります。街発的な要素に対抗するためには、それでは間に合わないことも多々生じるわけです。

 こうした「既存住宅地のまち(あるいはまちづくり)を維持する組織」などと、肩肘を張った組織でなくても良いのですが、日常的な集まりの中で、自分たちの地域の特徴・魅力、地域内で起きていること等について話し合うような機会は欲しいものです。そうした小さなことが、その後の突発的な出来事にもスムーズに対応できる組織の形成につながっていくように思われます。
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