まちづくり?
 このページは、日常の都市計画業務の中で感じたことをつれづれなるままに書き記したものです。  個人的独断的な意見ですのでそのつもりでご覧下さい。
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第1ステップの目標:計画
 「組織=勉強会」を立ち上げられたらまずは一段落といって良いでしょう。
 そしてそこですべき第1ステップは「これからどのように動かしていくか!」ということになると思います。それを整理することが「計画」であると考えれば良いでしょう。

(1)計画の内容

 まちづくりを安易に考える人は、「計画」=将来イメージだと考え、どこかの設計事務所の方にそれをお願いするかもしれません。しかし、それは全く根拠のないものですから、その通りに実現するはずはありません。むしろ、そうしたイメージを皆が最初に抱いてしまうと、現実に進めていく中でその将来像が崩れていくことによって「そんな筈じゃなかった」と言い出す人が現れたりと、却って円滑なまちづくりの障害になる可能性も無いわけではありません。今ではそんな進め方をする人はあまりいないと思いますが、昔は、再開発事を進める際に「最初に絵を描くな!」とはコンサルタント間では良く言われていたものです。
 
 つまり、「計画」の最終的なイメージは「将来像」であったとしても、それに至るためには、検討事項をきちんと踏まえた一定の手順の結果でなければなりません。それをまとめていくことが「組織」の第1ステップだと私は考えます。
 即ち、私が思い描く計画とは、以下の3つがセットになったもののことを言っていますが、「組織」はこれを「皆の合意」のもとに具体化にしていくことが必要になります。その意味で、最後に「合意形成」を加えておきます。
・プログラム=今後進めていくための手順が時間軸の上に表現されたもの
・事業費=実現するための費用及びその負担が明確にされているもの
・将来像=まちづくりの将来イメージ
・合意形成=地区住民の賛同を得ること

 明晰な読者は既にお気づきのことと思います。「大義名分」「金」「納得」「マネジメント」の4つ概念が、ここにも見られることを…。


(2)大切な「手順」

 これら全てを一人の人間がまとめていくことは不可能です(それができればあなたは私以上の優れたコンサルタントです(^^ゞ)。したがって、地元住民の代表とともに、何人かの専門家の参加のもとに、一定期間をかけてこれらをまとめていくことが必要になりますが、それができないと、「まちづくりの発意」は「単なる夢(絵に描いた餅)」に終わることになるのです。
 技術的には、この期間は1年もあれば十分可能だと考えているのですが、役所仕事ですと、この「計画」をまとめるのに数年かかることもあります。しかし、関係者の気持を考えると、私は、1年毎に何らかの成果を見るような進め方が必要であり、最初のステップは多少粗い計画(構想)であっても、徐々にそれを精緻化していけるようなプログラムで進めるべきだと考えています。

(3)コンサルタントの重要性

 コンサルタントには様々な人々がいます。大きく分けて次のような整理ができると思われます。私がコンサルタントと呼ぶ人々は、これらの①、②であるとお考え下さい。③は、限定された目的を達成するために効果的なコンサルティング(または主導的な役割)を果たしてくれる人々ですが、いわゆる「まちづくり」とはちょっと異なると私が考えているだけのことですが…。
①計画づくりを目的とするコンサルタント
 いわゆる「まちづくりコンサルタント」は、様々な人々の意見を引き出し、とりまとめていく人々であると考えられているように思われます。コンサルタント業界の言葉で言えば「調査・計画」を本業とする人々(計画屋)になります。②で述べるような技術的側面より、どちらかと言えば「調査を行い、計画書をとりまとめるとともに、人々への説明業務」等を得意としています。
②事業推進を目的とするコンサルタント
 いわゆる市街地再開発事業、土地区画整理事業等、法定の事業を進めるためのコンサルタントの人々です。いわゆる「事業」を本業とする人々(事業屋)です。これらの業務には、設計・法律・財政・権利変換等の諸技術が必要とされることから、大組織で行っていることが通常です。
③その他コンサルタント風の人々
・商店街などに係わる中小企業診断士などの人々=商店街診断を行ったり、最近ではTMOの経営等のコンサルティングを行うこともある。
・特定の事業(商業施設開発等)についてプロデューサー的な役割を果たす人々=施設のコンセプト~業種・業態~テナント誘致等まで含めて行う。

 業務を発注しようとする役所の人々にさえ、①と②の区別はあまり明確にされていないようにすら思われることがありますので、一般の人にはさらにその区別は明確ではないように思いますが、実は極めて重要であると私は考えているのです。
 コンサルタントという業務では、①と②は大きく異なった発想をしているものです。端的に言えば(極端に言いすぎですが)、
・計画屋は、大義名分を大切にし、計画的整合性を重視し、立派な計画書づくりに熱を上げがちになります。悪くすれば、「立派な計画書はできたけれど、まちづくりはさっぱり…」ということになりかねません。
・事業屋は、事業の完成を大切にし、事業実現のための事業費・権利調整的側面を重視し、事業を実現することに熱を上げがちです。悪くすれば「何とか事業は実現したけれど、こんなものを実現するために…。もっと何とかできたのではないか…。」ということになりかねません。

 そして、この双方を経験しているコンサルタントは極めて少ないということも知って下さい。つまり、まちづくり全体をバランス良く見渡し、コンサルティングできる人は意外と少ないのです。

 ある首都圏近郊都市の区画整理事業地区では、まちづくりには住民合意が必要だと言うことで、区画整理事業の実務を知らない①のコンサルタントが、住民参加の下に、地区住民も望ましいと考える理想的な区画整理事業の構想をまとめました。現実に、それに基づいて区画整理事業を開始したのですが、つまり具体的にどのような手順で事業が進められることになるのか、途中段階でどのような問題が発生するのか、知らないままで作られた計画でしたので、実際に事業が動き始めると様々な問題が発生してきました。
 このまちづくりの進め方のどこに問題があったのか、今更考えても仕方ないことなのですが、まちづくりの性格を良く考慮し、適切なコンサルタントの選定が行われていれば十分避けられた問題であることは確かなことなのです。



 いずれにしても、「適切な計画」がまとめられさえすれば、後はそれに基づいて実施すれば良いだけの話しだと思うのですが、いろいろゴタゴタすることの大半の原因は、次のようなことなんじゃないでしょうか?
・この計画づくりのどこかがおかしかった。
・計画の次のステップが用意できなかった。 等々
 私が、コンサルタント選びが重要だという意味は、「計画内容」を大きく左右しうる存在だと考えているからです。

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