まちづくり?
 このページは、日常の都市計画業務の中で感じたことをつれづれなるままに書き記したものです。  個人的独断的な意見ですのでそのつもりでご覧下さい。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/--(--) --:--:--| スポンサー広告| トラックバック(-) コメント(-)
超高層マンションが良いと思います?
 超高層マンションの開発が首都圏を中心に活発に進んでいる。売れ行きも好調らしい。下層部は売れ残っていても、高層部は高い値付けがされ取引も活発であるようだ。価格も、現在のところ希少性もあって他のマンションよりも価格が低下しないらしい。
 超高層マンションというと、つい思い出すのがル・コルビジェの未来都市のイメージや、高度経済成長期に示された東京湾開発の塔状住居群である。今の超高層マンションを、ようやく技術がそこまで追いついてきたと考える見方もあろう。しかし、一方で、幕張ベイタウンのように、あえてタワー状にしないで街区型の建築で住戸群を形成しようという動きもあることにも着目して欲しい。
 それぞれが形成する都市は大きな違いがあるのだが、どちらがより人間的か?と問われれば、私はためらわずに後者であると答えるだろう。



1.超高層マンションでの生活は?

 以下の、(ゼネコン設計部の)友人のアドバイスにもあるように、超高層マンションは、子供の成長にとって好ましくないという説が強くあり、様々な調査報告もある。そもそも地上から離れた場所が子供を育てる環境ではないと考えて良いだろう。窓も開けられない状況の中でどうしても室内中心の生活を強いることになり、それが健全な人間の成長に良い影響を及ぼすとは考えがたい。

 それ(構造云々)以前に 超高層マンションは高齢者向き あるいは子どものいないディンクス あるいはシングル向きだと思います。小さな子どもがいたり これから子育てをするような家族には余りお勧めできません。外に出て行く機会が少なくなり どうしても家の中にいることが多く、子どもの成長にとって問題なしとはいえないと言う人たちもいます。その意味で中層以下がお勧めです。できれば○○さん(私のこと)の言われるように低層の集合住宅がいいと思います。
 さらに ディベロッパーや施工会社についても気にしたほうがよいと思います。なるべく名の知れたところでそれなりに名を惜しむところがいいと思います。あとあと何か問題のあった時の対応に差が出ます。性能評価をとっているかどうかも判断材料の一つになると思います。
 集合住宅に住む場合 集合住宅に住む適性を持っているかどうか も自己チェックする必要があります。壁一枚、床一枚で生活を異にする人が接触するように住むのですから、あまり音に敏感な場合、集合住宅に住むのはいかがかと 思います。周りからの音を完全に遮断することはできないからです。



 超高層マンションの「売り(利点)」として、良く引き合いに出されるのは、眺望・共有空間・オープンスペース等であろう。

・眺望は、それが期待できるのは、超高層の中でもかなりの上層階に限定されるのに対して、超高層ビルがつくるスカイラインは、都市景観を大きく変えていくものであることがどれほど認識されているのだろうか?私には、独りよがりの建築に見えてならない。

・豊かな共有空間をつくることができると言われるが、多人数が一つの建物に居住することの「管理」の難しさがどれほど認識されているのかどうか。また、共有空間は一建物内で完結するものではなく、都市内の多数の他の施設との選択の中で利用される方がより豊かな生活につながるものであろうし、事実、診療所等がマンション内にあったとしても、実際に利用するところは町中の評判の良い施設であるということは、よくあることである。

・オープンスペースは、確かに超高層にすればより広く確保できることは確かだろう。しかし、問題は、そのオープンスペースの質であって、周辺の諸施設・空間との関係での判断が必要である。それより、周辺の町と孤立して、そびえるマンション生活より、低層で、周辺の町と親密な関係を築きながら営まれる生活の方が、より人間的な生活だと思うのである。


2.構造の安全性は担保されているのか?

 かって、超高層と言えば鉄骨造の「柔構造」であった。つまり五重塔や竹のように、地震力を適度に逃がしながら耐える構造というわけである。

 独立行政法人防災科学技術研究所とNPO法人「木の建築フォラム」は、五重塔の模型(縮尺5分の1)を使った振動台実験を2004年11月22日から12月24日にかけて実施した。その模様を動画でお伝えする(映像提供:防災科学技術研究所)。五重塔の振動台実験としては国内最大だ。
 で、実験結果はどうだったのか。同研究所の箕輪親宏総括主任研究員は「五重塔は、5%以上の高減衰性能を持つ建物であることがわかった。塔の最上部に取り付く金属製の相輪が大きく揺れることでパッシブ制震の効果を生み出していると考えられる。地震の波形によっては五重塔が蛇のように動くこともわかった」と説明している。



 しかし、近年の超高層マンションは鉄筋コンクリート構造が主流となっている。それは、設備関係のグレードの向上が求められる中で競争力を高めるために、安価な構造が求められることにより生まれてきたニーズであると言っても良いであろう。鉄筋コンクリートは当然耐震構造であるから、地震の震動に対し耐える構造である。したがって、超高層の場合には、当然上層ほど変位量も大きく揺れも大きくなる。つまり構造的にも危険であり、人的な被害も大きくなる可能性がある。最近の超高層マンションで採用されている「制振構造」はそれを和らげるために、むしろやむを得ず開発された技術であると見るべきである。
#そういえば、制振構造は構造上、音に対しては通常のマンションより弱いことが、モデルルームで展示されていた断面構造を見ていて、私にも良くわかった。
 また、そこに使われるコンクリートも通常のコンクリートの3~4倍の強度を持つコンクリートであるという。


#参考:(財)資産評価システム研究センター資料閲覧室より

・普通コンクリート(ふつうコンクリート)
 粗骨材として川砂利や砕石、高炉スラグ砕石、細骨材として川砂や砕砂、スラグ砂などの普通骨材を使用した、最も使用比率の高いコンクリート。日本建築学会・建築工事標準仕様書・鉄筋コンクリート工事(JASS.5)に定められる基本仕様の場合の設計基準強度は150~240kgf/cm2、気乾単位容積質量2.2~2.4t/m3の範囲にある。

・超高強度コンクリート(ちょうこうきょうどコンクリート)
 圧縮強度が800~1000kgf/cm2を超えるような非常に高い強度を持つコンクリート。高減水性混和剤や、シリカフュームなどのポゾラン反応を有する超微粒子物質の利用により、理論結合水に近いところまで減水可能になり、現場打ちでも超高強度コンクリートの施工が可能となった。



#それを壊すための技術もまだ十分開発されていないのだとは、これまた設計事務所の友人の話しである。

 つまり、コンクリート素材としても構造システムとしても、より高い技術を前提にしたものであると言えよう。その安全のためには、当然厳しい性能の確保が安全の前提となる。しかし、それがどれほど危ういものであるかは、これまでの様々な事故が証明しているようなものである。

 兵庫県南部地震で800gal、鳥取県西部地震で900gal、新潟中越地震で1700galを越す加速度が記録され、その度に「このような大きな加速度は想定していなかった」と言われているのが現状なのである。


 特に、最近は臨海部の超高層マンション開発が盛んである。しかし、それを支えるためには、地下60m~70mの杭が入っていることを一般の人々は知っているのであろうか?そこでは、間にある60m程の深さの地盤は何も動かないことが前提とされているのである。また、地震力の解析には不確定な要素が多く確かな物ではないにも拘わらず、水平力としてしか考慮されていないことを一般の人々にはどの程度理解されているのであろうか?特に、直下型地震については誰もわかっていないということが、どれだけの人が知っているのだろうか?
 私だけでなく、私の友人の建築の専門家の誰もが、家族の生活の器としては、低層のマンションを薦めているのである。

 最近、建築学会で作成した「地盤震動」丸善 が出版されたが、私の友人(構造の専門家)は次のように言っている。
 改正基準法の地震動想定には多くの問題があり、国は、基準法の規定は最小要求事項であって、耐震的な安全性を必ずしも保証するものではないと逃げを打っています。
 別に、内閣府の地震研究推進本部の長期評価部会が、これまでの活断層調査、平野規模の深い地下構造調査結果に基づき、各地域の地震動予測解析を行い、これを地震危険度マップとしてここ2、3年でまとめようとしています。しかし、このマップでは基準法の地震動規定との関係にはふれるつもりはないとしています。また、国土交通省も知らぬふりです。
 設計実務家が、判断をして耐震安全性に関する性能設定をし、施主の了解を得るという難しい役割を強いられることになっているのが現状です。




3.建て替えや補修はどうするのか?

 阪神淡路の大震災で、被害を受けたマンション約200棟のうち、現在に至っても建て替え・修復の終わっていない建物が約1割存在するという(先日のTVの情報なのでうろ覚えであるが)。その大半は、住民の合意形成ができないことによる。超高層マンションは、一棟で数百~千に近い世帯数の建物である。それだけの人々の合意形成がいかに難しいか、それだけでも良く理解できる。
 また、それを将来建て替えるとなったら、技術的にはどうするのか?また、どのような金額になるのか?考えるのが恐ろしくなる。先日、廃止の決まったあるダムの破壊費用が(記憶では)46億円だという。しかもそれも安全性を考慮すればさらに上乗せになるという。一体、こうした費用は誰が負担するのか。超高層マンションの将来は人々に見捨てられ廃墟になるのであろうか?それにしてもその安全対策の費用は誰が負担するのか?今のところ、ニューヨークのマンハッタンではそういう問題が生じているのかどうか、報告を聞いたことはないが、物には自ずと寿命がある。永久にそういった問題が生じないと考えているのだろうか?
#先日の飲み会で、超高層マンション建設に携わっている友人に聞いてみた。「誰も壊すことなんて考えていないんじゃないの?」が彼の答えであった。
 つまり、超高層マンションは、まぎれもなく、将来の世代に大きな「ツケ」を押しつけるものなのである。それを誰もが考慮していないのが事実なのである。


4.最後に

 確かに、高いところからの眺望はホテルにいるようで快適かもしれない。しかし、それはあくまでも平常時の問題である。いざ災害となった時、数十階の建物がどれほどの苦痛になるか、超高層に住もうとする人はあまり問題にしていないらしい。
 いずれにしても、確実に訪れる関東大震災。その時、超高層マンションほど評価が割れるものはないだろう。さらに評価が高まるのか、一気に評価が下落するのか…。ただ、仮に評価が上がったとしても最後の問題は、誰も解決してはくれない問題なのである。
 最後に、先のゼネコン設計部の友人のコメントを掲載させていただこう。

 今日一日阪神大震災関連の番組や記事を見て目からうろこがいくつかありました。

◆一つは、「不用意な怪我をするな」だ。あわくって飛び出して転んだりして、不用意な怪我をするなという発言だった。それでなくても地震そのものの作用で怪我をする人が多いのだから、余分な怪我をして世話を焼かせないこと。というのだ。

◆一つは、既存住宅の耐震性補強がなかなか進んでいかないが「住宅の耐震性補強は家族・生活を守るためのものだ」という発言
 当然のことだが我々はどうしても工学的な方に目が行ってしまう。


スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
骨材骨材(こつざい、aggregate)とは、コンクリートやアスファルト混合物を作る際に用いられる材料である砂利や砂などのことを言う。コンクリートの場合、主にセメントと骨材と水を混合して造られるが、骨材は体積比で7割程度を占める。.wikilis{font-size:10px;color:#66
2007/10/07(日) 13:05:49) | 建築って何?
超高層マンション超高層マンション(ちょうこうそうマンション)は、一般に階数が20階を超える住居用建築物である。タワーマンションとも言う。1976年、住友不動産がさいたま市中央区 (さいたま市)|中央区(当時の与野市)に建設した「与野ハウス」がその第一号といわれる。
2007/02/24(土) 14:23:40) | 住宅なんでも辞典
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。