まちづくり?
 このページは、日常の都市計画業務の中で感じたことをつれづれなるままに書き記したものです。  個人的独断的な意見ですのでそのつもりでご覧下さい。
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プロポーザル・コンペ雑感(3)
 最近、あちこちでコンペが実施されているようです。
 都市計画的なものになると行政が主催することが多いのですが、建築設計に係るものですと民間が圧倒的に多くなります。
 建築設計コンペでは(特にですが)、問題が指摘される事例は数えきれません。本日、電話で話した友人も、まさにその渦中にありました。

 民間の実施するコンペの最大の問題は、次のような点にあると思っています。

・審査する側の責任が果たされないこと
 つまり、コンペを実施しても公平・公正に審査を行い、入選案を決定するという、審査する側の役割・責任が理解されていないのかどうか、「最終決定をしない」ということがあまりにも多いということです。
 それは、審査員の中に専門家が不在であるだけでなく、審査という名目の中で審査員の政治的関係の解決を図ろうとしていることすらあるという情けない現実が多いと言うことです。
 さらにひどい場合には、決定案が絞れないまま(絞らないまま)競争入札を行うことすらあるのです。
 こんな審査する側の身勝手な都合に振り回される設計事務所は、たまったものではありません。こんな主催者の責任は、厳しく追及されるべきでしょう。

・素人判断が多すぎる
 今のようなインターネットの時代ですから、コンペを実施する際には情報に困りません。インターネットを検索すれば、コンペ要項案など簡単に作成できるでしょう。しかし、経験がないだけに、その文面の裏にある意味を理解しないまま、自分の都合の良いように判断し、動いてしまうわけです。
 しかも、そこには謙虚な姿勢が欠けています。ですから、不十分な要項に対して、疑問に思いながらも応募する側が泣かされることになるのです。

 行政の実施するコンペにも似たような例はいくらでもあります。私の知っている例(私が係わったものではありません)でも次のような具合です。

・事業コンペ(優れた事業計画を提案した団体を事業主体として選定するもの)でありながら、事前の調査が不十分であったために、コンペ自体が成立しなかった。
 コンペというのは実施のための準備をするだけでも、相当の検討が必要なのです。応募する側の条件を理解しないまま、要項さえあればコンペが行えると単純に思ったわけでもないでしょうが…。

・建築設計コンペでありながら、応募案の基本的な過ちを見過ごして入選案にした結果、完成した建物は、応募案とは大きく異なったものになってしまった。
 当然、問題にもなったわけですが…。

 こんな初歩的なミスは、素人集団である役所の内部だけで、恐らく他の要項を参考にしながら、安易にコンペを実施しようとしたものです。
#敢えて「素人集団」などと言う意味は、数年単位で異動を繰り返す役所の人事システムでは専門家が育つ筈もないからです。大抵の場合は、コンペなど未経験の職員が、他の事例を見ながら表面的な事項だけでわかったような気になって行ったものだからです。
#こうした税金の無駄遣いの責任は一体どこが負っているのでしょうか?


 行政が実施するコンペは、これまでは重要な事業に係るコンペが多かったわけですが、今後は、今回のように、数百万円程度の調査ものすらコンペで発注することになるでしょう。
 今まで経験したコンペで、私にとって、問題だと考えられるものを思い出しながら書き出してみましょう。

・調査の企画コンペを実施しながら、調査自体が消えたもの。
 せっかく頑張って企画書を作成し、入選もしているのに…。

・調査の企画を求めておきながら、同時に調査費用の見積もりを求めるもの。
 これはコンペなのか、見積もり入札なのか…。

・調査体制の提示を求めるもの。
 調査に係る人数が多ければ良いというのか。責任者の経験が豊富なら良いというのか。その経験って何なんだ。調査企画はどういう意味があるというのか。
 たかだか数百万円の調査で、どれだけの人間が動けるとお思いでしょうか?見かけの体制表示でだまされて欲しくはないものです。

・それ以前に、調査企画で調査すべき内容がわかるものなのかどうか、ということも忘れて欲しくないことです。
 営業勝負の会社なんて、同じような企画書を作成してあちこちにばらまいていることがわからないのか。わかっていても、発注する責任者としては、それがありがたいのか…。

 どのようなコンペを行おうとする場合でも、私が着目したいのは次のような点です。

・発注者側が、このコンペで本当にその業務に必要な業者を選択しようとしているのか。その覚悟が感じられるか。

・そのために、本当に、調査の企画内容で審査しようとしているのか。

 少なくとも、他の事例を引っ張ってきて、それでコンペを実施し、いい加減な判断で決定する。それで、公正・公平に判断したなどと言って欲しくはありません。
 先日の記事で、武田晴人東大教授が様々なアイデアを述べていますが、実態は、当事者の責任逃れで実施するようなコンペも数多く、武田教授が期待する以前の問題が余りにも多いというのが、私の率直な意見です。

 では、コンペに代わる方法はあるのか?と言われれば、私は無いわけではないと思います。
 つまり、過去の実績を重視することです。調査費とともに(つまり、その業務をどの程度の費用で実施しているのか?ということは重要なのですが、終わってしまえばあまり考慮されないのはどうしてでしょうか?)業務成果の満足度を他の自治体や、同じ役所内でも過去の経験者などから聞いたりして、そうした中から担当者(数名)を中心として、責任を持って判断し、特命発注することです。能力があって、誠実に対応してくれるコンサルタントを見出すには、そうした努力が必要でしょう。
 そして、業務を動かす際には、業者まかせでなく、業者とコミュニケーションを密にしながら、きちんと希望を伝えながら業務を進めることです。


 しかし、今の時代では無理でしょうねぇ。今までだって、そうやって発注してくれる例は極めて少なかったのですから…。

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