まちづくり?
 このページは、日常の都市計画業務の中で感じたことをつれづれなるままに書き記したものです。  個人的独断的な意見ですのでそのつもりでご覧下さい。
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まちづくりの初動期をどうするか
 「まちづくり」とは、人々の権利・財産に触れるものですのでどうしても「お金」がかかります。また、一人で行うものではなく、複数の人々の意思を一つにまとめないとならないので皆が「納得」できるものでなければなりません。さらに、まちづくりと呼ぶからには、何らかの形で、「社会的に正しいことを実現するものであること(大義名分)」が求められます。
 これを、以前の会社の上司は、まちづくりを実現するための3要素として呼んでいました。つまり一般的には「事業費」「合意」「公共性」と呼ばれるものです。私はコンサルタントの端くれですので、これに「マネジメント」を加えたいと思います。





 まちづくりは、多くの場合、地域の少人数の話し合いから始まります。大抵の場合、熱心なリーダー(達)がいて他の人々を巻き込んでいくのですが、この時期をどのような見通しのもとに、どのような手順・方法で動かしていくかが極めて重要なのです。しかも単に会合を開くだけでも場所代、コピー用紙代、飲み物代等、様々な費用がかかっていきます。そして、ちょっとまとまった考え方を整理するだけでもそれなりの人々が動く費用がかかるのです。
 以前、商店街のまちづくりなどで話しをする機会がある時。私は、その商店街が振興組合等何らかの法人組織になっているかどうかで、今後の可能性を判断してきましたが、残念ながらそれは殆どはずれたことがありません。
 つまり法人組織であるということは、以下の条件を持っているからです。
(1)何らかの共同事業の実績を持っており、どう動けば事業を動かすことができるか一定の判断が可能である。
(2)事業に必要な資金の融資を受けることもできる。


 しかし、任意団体の場合には、まちづくりについて話し合いをした経験もなく、一度は話しを聞いても、経験不足・話し合い不足もあってそれを動かす方策を見出すことが難しく、事業に必要な資金の借入さえもできないことが殆どなので、少数の人々の気持ちは積極的であっても結局は話しを聞くだけで終わってしまうのです。
 しかも、こうした場で話しをする人の多くは、実際にまちづくり事業を動かした経験の無い「専門家」ですから、彼の専門での景気の良い話しをし、聞いている人々も何か判ったような気になって時間を過ごすという、私に言わせていただければ「講演のための講演」で終わってしまっているのです。人生の一時を何らかの充実感を感じていたいだけならこれで良いでしょう。しかし、私にはどのようなテーマであろうと、これがまちづくりにつながるものであるとはどうしても思えないのです。

 これが住宅地の場合には、まちづくりというものが一層難しいものになることはすぐにわかってもらえることでしょう。まず、商業地のまちづくりは、「商売上のメリット」という動機が明確なのに、住宅地の場合には地域住民の「共通の動機」を見出すことすらむずかしいのですから…。

 こうした状況の中で、私が考えるまちづくりは具体的に動かしていくまちづくりであり、そのためには、次のような要素が必要であると考えています。

(1)まちづくりを進めたいと思っている少数のリーダー
 横浜の元町商店街では3人の若手リーダーが、それまでの体制を覆してまちづくりを進めて来たと言います。湯布院のまちづくりもリーダーは3人であったということを考えれば、「最低でも3人」というのは、単に一部の人間がやっているのではないというように周囲に思ってもらうために必要な人数かもしれません。
 これは言わば「合意形成」の前段です。

(2)一緒に戦略を考え進めていける専門的協力者
 コンサルタントでも、市の職員でも良いのです。今後の戦略を明確にし具体的に作戦を立て、遂行して行ける協力者としての専門家が必要になる筈です。
 事業推進のために必要となる資金的なことを考えるとともに、皆で考えていることをまとめ人々にわかってもらうように表現していくには、できれば両方が係われるような体制をつくることが望ましいと思います。
 これらは言わば「マネジメント」であり、「公共性」「事業費」の前段にあたるものだとすることもできると思います。

#首都圏内の市では「コンサルタント派遣制度」を設け、少しでもこうした動きを助成しようとしています。それはそれで結構なことなのですが、その派遣回数が数回に限られていること、派遣される専門家も様々であり最適な人材とは限らないこと、などの問題があるのが一般的なのですが…。

 こうした人々が集まり一定の準備が出来たとき、初めて「まちづくり」へと動くことができるのです。

 これまで多くの場合、行政主導によって、○○地区の計画が策定され、そうした経緯の中で人々の合意が形成されてきた地区では、何らかのまちづくりが動いてきたことは確かです。
 しかし、その一方では、膨大な調査費が何ら成果をみずに費やされてきたことも確かであり(その最も大きな理由は単年度単位の調査費にあると思っているのですが)、今後の財政事情を考えれば、行政がそのような係わり方ができないことも明らかです。となれば、行政ができることは「住民自らの発意によるまちづくりの動きをサポートする体制をいかに準備していくか?」ということであり、その前提として、住民としては、いかに「住民のまちづくり意思」を示すことができるかが重要になると思われます。

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