まちづくり?
 このページは、日常の都市計画業務の中で感じたことをつれづれなるままに書き記したものです。  個人的独断的な意見ですのでそのつもりでご覧下さい。
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耐震補強工事を終わって
<耐震補強工事を振り返る>

 老朽化の進んだ我が家の耐震補強は、私にとっては長年の課題でした。
 しかし、当時知っていたどの方法も、基本的には工事が大変ですし、しかも、補強されたといっても、どの程度強度が上がったのかわからないようなものでした。特に、我が家のように基礎から疑問がある場合には、どのような補強を行っても安心できるような状態になるとは思えなかったのです。

 しかし、友人達でつくるML(メーリングリスト)に相談を持ちかけてから状況が変わってきました。様々な方法があることを知るととともに、その中でも信頼できそうな工法にも出会うことができたのです。

 結局、我が家ではシーク建築研究所の「耐震ポール」を使うことになりました。これを決断するに至った理由は既に書いていますが、今回、我が家で耐震補強工事を実施できたのは、この耐震ポールに出会ったのが大きかったと考えています。

 工事実施後、改めて感じている「耐震ポール」のメリットを、私は次のように考えています。

●既存の建物の外部に、新たに耐震構造物を付加するわけですから、強化された状況が明確に理解できる。
 我が家の場合、耐震の前提となる「基礎」が不安だったのですから、この方法はまさにうってつけのように思えました。
 また、その構造的耐力も、限界を超えた場合一気に崩壊するわけではなく、かなりの粘りがある筈だということも、この工法が良いと思った理由です。

●工事期間が極めて短い。
 我が家の場合は、この工法の通常例より長い方だと思いますが、それでも検討を始めてから工事終了まで70日ほど、実質工事日数は12日です。
 これだけ短期間で実施できる工法は、後は「外部ブレス」くらいじゃないでしょうか?

●その間、日常生活への影響が殆どなくて済む。
 我が家では、より安全性を考慮して、あえて2本を室内に建柱しましたが、通常は日常生活への影響は殆どない筈だと言って良いでしょう。
#点検口工事や内部金具の設置は必要になりますので、その際は室内に入る必要があります。

 一方、私の感じるデメリットは次のようなものです。
・ポールが建物の外部に現れる。
・相応の費用がかかる。


 しかし、新築が必要な程ではなく、それほどのお金も用意できない中で、家族の安全を確保するために必要な費用としては、決して高いと言わなければならないほどの金額とは思いません。また、自慢するほどの外観の建物ではありませんので、ポールが露骨に見えることなど全く気になりませんでした。

<耐震補強の効果>

 ところで、耐震ポール方式における補強工事の効果はどのように見込まれているのでしょうか?
 シーク建築研究所の耐震診断報告書から主要な結果を抽出してみましょう。

            耐震補強前     耐震補強後
●総合評点      0.7未満    1.0以上1.5未満
 X方向        0.38      1.11
 Y方向        0.58      1.32

注:総合評点の目安
 1.5以上:安心です。
 1.0以上1.5未満:一応安全です。
 0.7以上1.0未満:やや危険です。
 0.7未満:倒壊又は大破壊の危険があります。


●動的解析の結果による最大層間変位:弱いX方向について
            耐震補強前     耐震補強後
δ(cm)
 2階          3.78      8.27
 1階          1.32      1.99
rad(1/X)
 2階          1/76      1/35
 1階          1/33      1/171

注:動的解析の前提となる入力加速度は400ガル。加速度波形は通常あり得ないようなかなり厳しい条件(詳しいことはわかりません(^^ゞ)で想定したものだそうです。また、この動的解析まで行っている耐震工法は他にはないのではないか、とのことでした。

 変位量(cm)については、補強後は1階部分の変位が少なくなり(約10cm→2cm)、2階部分の変位が大きくなります(4cm→8cm)が、全体の変位量はもちろん小さくなります(14cm→10cm)。これは2階の床までは地震力が直接伝わることになる結果ですが、2階の上は屋根荷重だけですから、十分耐えられるだろうという考え方です。
 また、変位角(1/Xrad)についてももちろん、全体的に小さくなっています(Xの値が大きい方が変位角は小さい)。特に重要なのが、1階部分の変位角です。補強前は1/33となっていますが、この33が30以下になると倒壊する恐れがあるとの判定のようです。つまり、補強前は2階の変位角は比較的小さいのですが、加重のかかっている1階部分の変位角が大きいので倒壊の危険が大きいというわけです。この場合、補強後は2階の変位が大きくなっており、その変位角数値もかなり高いように見えますが、上の荷重が屋根だけですので倒壊の心配はない。という判断がされているわけです。

 今回の分析結果を通じて、木造の耐震診断においては、通常言われる「地盤・基礎」「壁量(水平抵抗力)」「老朽度」の他に、「重心と剛心の一致(偏心)」、さらに動的解析による「変位」などが、木造の耐震性に関して重要な判断要素になることを知りました。
 また、建物の一部分を強固にすることによって、逆に他の部分により強い地震力がかかることにもなり、耐震性の高い建物とするためには、全体としての強さのバランスが重要であることを知ることもできました。
 私にとっても結構勉強になった今回の工事でした


<最後に>

 耐震補強工事を行っている事業者に直接聞くと、実際に耐震補強工事をしている家は、いろいろ放送されている現状から見ると意外と少ないように思います。
 しかし、近いうちに大震災が来ることは確実だと見てよいでしょう。その際の「安全」のために、どのような覚悟をするかはそれぞれの家族の考え方・事情によるのでしょうが、地震対策の大きな一歩として、まずは耐震補強工事が進められるよう願っています。

 なお、本工事は私にとって十分満足のゆくものでした。工事を直接担当された齋藤建設、構造設計・工事指導等のシーク建築研究所の方々には感謝したいと思います。

PS
 その後、2005年4月11日7時半頃、千葉県北東部地震がありました。横浜では震度3とのことですが、建物内2階にいたのですが、実感としては震度2くらいでしょうか?これが我が家の地盤状況のせいなのか、耐震補強のせいなのかは判りませんが、今までの揺れとは多少違っていたような気はします。建物が揺れるときのグラグラする感じは全くなかったということでしょうか?「地盤と一緒に建物が揺らされているという感じ」と言えば判ってもらえるでしょうか?相変わらず2階の屋根は相変わらずの揺れのような気もしましたが、不安感は全くありませんでした。
 まあ、免震や制振ではないので、揺れが小さくなるわけではありませんから、揺れるのは仕方ないですね(^^ゞ。

 さらにその後、2005年7月23日16時半頃、千葉県北西部地震がありました。震源の深さは約90km、地震の規模(マグニチュード)は5.7と推定されるようですが、我が家では震度3~4程度と思われます。カミさんはオロオロしていたようですが、娘や義母は何の不安を感じることもなく過ごしたようです。実際、地震により棚のものが落下するなどということも全くなく過ごせました。
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