まちづくり?
 このページは、日常の都市計画業務の中で感じたことをつれづれなるままに書き記したものです。  個人的独断的な意見ですのでそのつもりでご覧下さい。
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耐震補強工事その後
 耐震補強工事後、震度3級の地震がいくつかありました。しかし、気持ちの上では随分余裕を持って受け止めることができました。人間の気持ちなんていうのはおかしなものですね。

 工事の状況を見ていた周辺の方々からも、いくらかの反応がありました。
 耐震ポールというのは、結構認知されていたような気がします。TVでも放映されたことがあるからなのでしょうか?
 しかし、身近なところで話しを聞くことができた何人かの人々は、まず工事費に驚きます。そして、「(そんなお金をかけるくらいなら)我が家はつぶれる物ならつぶれてしまって構わない。そこで死んでももう悔いはない。」とか、「壊れたら建て直せば良い。」という、至って気楽な反応でした(^^ゞ。
#そこで、このページを追加することにしました(^^ゞ。

 でも、ちょっと待ってください。こんなことは考えませんか?



1.大地震時

 地震では必ずしも建物が壊れるとは限りません。しかし、あなたの家が、もしかしたら壊れるかもしれないという心配があるのであれば、是非耐震診断程度は受けるべきです。
 壊れて建物の下になって死ぬのは構わないのかもしれませんが、その時、どんな死に方をするのか考えてみて下さい(^^ゞ。
 即死ならまだ幸せかもしれませんが、建物の下で身体の一部が圧迫されたまま死ぬのがどれほど辛いか考えれば(きっと「痛い」なんてものじゃないですよ~(^^ゞ)、それだけは避けたいと思いませんか?

2.避難時

 あなたが、建物の下敷きにならずに無事に生き残ることができたとして、あるいは、家が壊れないで済んだとしても、残った家が中途半端な形でしか残らない可能性は大いに考えられます。
 家の中がガタガタになってしまうくらいは覚悟しなくてはいけませんが、「余震で破壊の可能性がある」と「危険」の診断を受ければ、そこで避難生活を送ることもままなりません。あなたはその場合、どこで避難生活を送りますか?車の中ですか?避難所になった体育館ですか?
 私は、どれほどガタガタになっていようと、余震で壊れる心配のない我が家で避難生活を送る方を選択したいと思います。家さえちゃんとしていれば、生活用品は何らかの形で使えるものも見つかるでしょうし…。


3.復旧時


 余震が収まって復旧段階に入った時、中途半端な家をあなたはどうするでしょうか?壊れかけた家をどうするでしょうか?雨や砂埃にさらされたものを洗い直して再度使うでしょうか?
 結局は、廃棄物としてどこかに処分せざるを得ないことになるのでしょうか?

 「家が壊れたら新しく建て直す」と簡単におっしゃいますが、そいう家が無数ある非常時に、実際建て直せるようになるまでに、どれほど時間がかかるか考えたことがありますか?
 その場合の家の設計が出来ていますか?そんな非常時に理想の家を建てることなどできるとお考えですか?
 大工さんに頼むのでもプレハブ住宅を造るのでも良いのですが、建設資材が簡単に準備できるでしょうか?しかもそんな時期に手頃な価格で建築することができるでしょうか?

 私は、とてもそうは思えません。いくら望む家の設計を事前に考えていたとしても、そんな非常時には、設計条件が根底から変わってしまうでしょうし、悪くすれば、まずバラックを建てて、それからまた改めて建てる家を検討しなければならないということにもなる可能性が大きいと思っているのです。
 こんな仕事(都市計画や建築)をやっていても、実は具体的には想像することが難しいのです。


4.再建するとしても

 
 仮に再建するとしても、そのためには「崩壊した家の処分」、「建築期間中の仮住まい」を考えないといけません。しかもその時は、あくまでも非常時なのです。
 そして、どの程度の費用の上乗せになるかはあなた次第ですが、現在の家と同程度の家を造るだけでも、通常の新築の何割増しかを考えざるを得ないでしょう。それも、おそらくは、乏しい資材・乏しい施工業者の中での工事になるはずです。建築の苦労は平常時の比ではないことは容易に想像できると思います。

 我が家では、新築を考えたらとても今の広さを確保できるような資金が用意できませんので、この家をずっと長持ちさせようと決心しています。それだけ今回の耐震補強工事の決断はしやすかったかもしれません。
 しかし、視野を少し広げて考えてみても、建設業が最大の廃棄物創出産業であることを考えれば、安易に新築を考えるより既存の建物の修復で過ごす方が世の中のためになるかもれません(建設業の振興やGDPの増大には貢献できないかもしれませんが)。

      *   *   *   *   

 今まで、「耐震補強なんて…」とか、「そんな費用をかけるくらいなら…」と、少し小馬鹿にして考えていたあなたも、もう少し真剣に耐震補強を考えてみたらいかがでしょうか?

 そしてその際是非考えていただきたいのは、あなたが選択しようとするその補強方法が、「大地震時に、それが本当にあなたの財産、家族の生命を守る補強になるのかどうか」という点です。

 世の中には、私が見る限りでもあまりにも怪しい補強が多すぎるような気がします。中途半端な補強では、あなたの望むような結果には決してならないでしょう。
 是非、確信を持って安心を感じられる補強方法を検討して欲しいと思います。
 ここで書いてきたことをじっくり考えていただければ、どのような工法を選択しようと、決して高すぎる費用ではないと思うのです。

 
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