まちづくり?
 このページは、日常の都市計画業務の中で感じたことをつれづれなるままに書き記したものです。  個人的独断的な意見ですのでそのつもりでご覧下さい。
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PFI事業の検討について
 今までにどれほど事業の可能性を探る検討を行ってきたことだろうか?コンピュータを回せば比較的簡単にできるし、相手がすぐに結論を出せるのであれば、その場でシミュレーションをして判断をしてもらえば、どれほど簡単に結論が出せるだろうか?
 事実、ある都市では関係者が集まった場で、そうした判断をしてもらったことがあった。そのケースでは「事業成功のために当初必要な金額、10億円を出すような意思決定が不可能だということで、実現しなかったのであるが…」
 仮に、実現できなかったとしても、こういう打てば響くような仕事はとても楽しいし、やりがいを感じることができる。
 
 概して言えることは、「なかなか意思決定してくれないクライアントほど、シミュレーションをするための諸条件の判断をしてくれない上に、ありそうもないケースまで含めての検討を欲しがる」ことが多い。それを一つ一つ説明するのはかなり大変な作業になる上に、似たような表ができてしまい、理解も大変になるのである。
 しかも最悪なのは、ちょっとした条件の違いだけでそうしたシミュレーションをやり直して、結果の整合だけを図りたがるのである。
 
 PFI事業(注1)も同様の状況にある。そもそもPFI事業がわかっていない上に、(わからないからこそ)PFI事業への期待が大き過ぎたりする。
 今、やっている仕事も似たようなものかもしれない。

 今の仕事、ある施設の運営再開についてのPFI事業の可能性を検討するというのが当初の目的であったのであるが、そもそも選択肢がありすぎて、最も可能性がある事業をどのような判断で選択するのかも明確でない。私に言わせれば、このようなケースは、まだPFI事業検討以前の段階なのであるのだが、PFI事業としての検討はどうか?などということになるのである。
 
 そもそもPFI事業が可能であるかどうかは、そのPFI事業がVFMを生み出すことが可能であるかどうかの判断が必要となる。そのためには、

①公共が自ら実施する場合の事業期間全体を通じた公的財政負担額の見込み額(PSC=パブリックセクターコンパラター)

②PFI事業として実施する場合の公的財政負担額の見込み額(LCC=PFIのライフサイクルコスト)の比較検討した上で、
①PSC>②PFIのLCC ⇒VFM(注2)がある
①PSC=②PFIのLCC ⇒②の公共サービス水準のほうが①より高ければVFMがある。
ということを判断しなければならない。

 そのためには、事業スキームが明確になっていなければならないという大前提があるのである。
 そのためには少なくとも、下記の内容が明確でなければならない。


・公共事業として事業実施した場合の事業スキーム
・PFI事業とした場合の事業スキームと公・民の役割分担
・事業に係わるリスクをどのように分担するのか?少なくとも公共としてどう考えるか

 そして、さらに悲しいのは、こうした内容を明確にするためにも事前の検討作業が必要になるし、相応の経費が必要になるということが理解されていない(あるいは、財政部門に理解されるようにしていない)のである。
#もしかしたら、財政部門は十分知っていて知らんぷりを決め込んでいるのかもしれないが…。

 つまり私は、「自らやる意思を持たないで、PFI事業の検討なんて不可能」だと、考えているのである。

 仕事になる限りはどんな仕事でもありがたいと思うことができれば、どんな仕事でも文句を言うことはないのであるが、仕事をする限りはやはりやりがいの感じられる仕事にしたいと思ってしまう。そのためにこの仕事に係わってきたわけだから…。


注1:PFIは1992年に英国で生まれた。Private Finance Initiative(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)を略したもので、国民に良質なサービスを安く提供するには、民間部門(プライベート)の持つ経営ノウハウや資金(ファイナンス)を活用することが有効である、という考え方により、英国政府の政策(イニシアティブ)として導入された。

注2:PFIの理念を最も適切に表現する言葉が、Value For Moneyバリュー・フォー・マネー(VFM)である。VFMとは、「国民が投じたお金(マネー)に対する対価(バリュー)を表す概念である。PFIは、VFMの最大化=納税者にとっての価値の最大化を目的としている。公共事業の実施にあたっては、その原資である国民の税金を、より効率的かつ効果的に使い、国民にとって少しでも質の高いサービスを提供しなければならない、というのがPFIの基本理念。(税金という貴重な原資を投じた国民に対して、最大の価値を提供する義務を政府が負うという考えかた)


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