まちづくり?
 このページは、日常の都市計画業務の中で感じたことをつれづれなるままに書き記したものです。  個人的独断的な意見ですのでそのつもりでご覧下さい。
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協議会の進め方(1):そのスタート
 まちづくりにおいては、まちづくりの基本方向を定めていくために、地区の代表者などによる「まちづくり協議会」といった会議の場がよく設置されます。
 こうした会議を効果的に進めるために、どのような点に留意したら良いのでしょうか?都市計画コンサルタントして長年仕事をしてきた私にとって、当然だと思っていたことが、実は意外とそうではないということに最近気づかされることになってしまい、こんな記事を書き始めました。

 こうした会議を実質的に動かすために重要な事項として、私は次のようなことを考えます。

●どういう人々を集めるべきか?→実質的に議論できるメンバー
 テーマ議題を実質的に議論できる人がどれだけ集められるか、これによって、会議の活力、成果が全く異なるでしょう。

●何人くらいか?→できれば10人以内
 可能なら10人以内(8人程度)、多くても10数人とすべきです。自由闊達な議論を行うために人数は重要です。

●会議の環境は?→委員中心。活発な議論展開に配慮して
 あくまでも協議会委員が中心です。事務局や行政関係者・オブザーバーの方が数が多いようでは困ります。
 形式的な手続きは出来るだけ避ける(委員長の選定、協議会の議題として委員への委嘱状の受け渡し等)は可能な限り省略・時間短縮すべきです。
 これらは、あくまでも楽しくなごやかな雰囲気で、実質的な議論ができるよう配慮すべきことであり、あまりに形式的な議論では出席者はうんざりです。

●会議の進め方は?→「復習型でなく予習型」で
 「最初は顔合わせ」などというような無駄な会議は避けましょう。そのためは、全くの最初の会議であっても、少なくとも「今後の進め方(プログラム)を明確にする」、また「まちづくりの基本イメージを共有できるにするための基本的な議論をする」程度の成果は得たいものです。このことが、次回の資料作成に大いに役に立つのです。
 また、毎回の会議は、前回の議論の復習・確認をするより、むしろ、次回のテーマに関することを少しでも議論できるようにしておくべきです。つまり「復習型ではなく予習型」にすべきです。この先行的議論が、次回の資料をより最適なものにするのに役立つからです。

●会議録は?→簡潔な記録。むしろ住民への周知
 「全文記録」など必要ないでしょう。あくまでも簡潔にすべきです。協議会の実績づくりが大切ではなく、あくまでも実質的な議論の結果が重要であるなら、むしろその結果を住民に広く知らせる方策を検討すべきです。

●さらなる工夫は?→様々な意見の聴取、議論の全体像が委員にも理解できるよう
 協議会では発言者が限定されてしまうこともあります。発言しない人の意見も残せるよう、ポストイットのような紙に、意見を残していってもらうのも効果的ですし、議長役が、途中でそうした意見を整理しながら議事を進められればもっと効果的に進められるでしょう。
 議論の内容によっては、模造紙(最近ではパソコン・ディスプレイでも良いのですが)などに、発言を(グループ化しながら)要約していくことができればもっと効果的です。これができるためには、少人数の会議である必要がありますし、記録者にも相応の能力が求められることになりますが…。

 こんなことをわざわざ書いているのは、私には当然と思っていたことが、意外と世間では当然ではないのかもしれないと思ったからです。
#お節介ですね(^^ゞ。
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第3ステップの目標:組織を維持する
 一般的には、まちづくりは、ある目標とする事業の完了をもって終了すると考えられがちです。しかし、まちは人々の生活の場そのものですから、その後の長い年月、それが生かされなければ意味がありません。
 例えば、市街地再開発事業で立派なビルが完成しても、近年の変動の激しい経済環境の中では、ビル経営がうまく行かなければ、リニューアルを頻繁に繰り返さなければビルの活力が維持できないということもあります。もっと身近な環境では、住民管理を条件に公園の再整備を行っても、住民が高齢化するにつれて管理が継続できなくなり、結局、市に管理をしてもらわなければならないという例もあります。その他、商業地のまちづくりでも同様のことが問題になってくる筈です。
 即ち、まちづくりとは一過性のものではないのです。常に活力を維持し、必要な更新を必要なタイミングで図っていくためには、それを支える組織を維持するということが極めて重要であるということを明確にしておきたいのです。

 ここでは、私が考える「まちづくり組織が望まれる局面」を適宜とりあげて述べていきます。

(1)事業的なもの(市街地開発事業等)

 専門的には、市街地開発事業とは、市街地再開発事業や土地区画整理事業等の法定事業を言います。
 市街地再開発事業では、その後のビル経営のために管理会社が不可欠であるとの考え方が一般化していますから、ここで敢えて述べる必要はないでしょう。
 一方、土地区画整理事業では、事業終了までは組合組織が維持されます。しかし、その後、まちづくりの具体的姿を示す住宅等の立ち上がり段階をコントロールするものがあまり明確にはなっていないのです。制度的には、地区計画やまちづくり協定等が住宅棟の立ち上がりをコントロールしていくものなのですが、本来は、そうした制度をきちんと運営していくための組織の維持と運営こそが重要だと考えるべきでしょう。

(2)商業地のまちづくり

 商業地のまちづくりについては別の機会にも述べる予定なので、ここでは組織論に限定しておきましょう。

 商店街のまちづくりには、「事業の実現」と「商業活動の維持」の2面があると思われますが、まちづくりの組織を考える場合には、ここが重要だと思います。
 「事業の実現」つまり「新しいまちづくり事業の推進」は、それまでの環境の更新(ある意味では否定でもある)になるわけであり、「商業活動の維持」の組織とは全く異質の考え方が求められます。新しいまちづくり事業の推進のための組織が、若者中心となることが多いのはそのためだと思われますし、その際、若者層と年寄り層の対立が起こるのも多くの事例が示すとおりです。
 重要なのは、商業活動を維持してきた組織(大抵の場合、かって若者の時代にある事業を実現してきた世代)が、次の時代を担うまちづくり事業の実現を進めるための新鮮な感覚を持ち続けることができるかどうか、あるいは自分の感覚が古くなっていることを認め、若い世代に権限を円滑に移譲できるかどうかになってくるでしょう。
 しかし、多くの商業地のまちづくりには、これがうまくいかず新しいまちづくりの支障になっていることが多いのです。

(3)新しい住宅地のまちづくり

 上述した、土地区画整理事業の住宅地では、新築住宅の形態を誘導していくために「地区計画」が定められることが多いと思います。美しく住みやすい住宅地を築いていくためには、私個人としては、少なくとも、もっと詳細な事項を定めた「まちづくり協定」を同時に定めていくことが必要だと考えていますが、さらに重要だと思っているのが、こうした協定を実質的に運営していく「まちづくり委員会」といった組織です。
 つまり私は、まちづくり協定を定めることにより、「まちづくり委員会」という、まちを維持していく組織を形成することができることが重要だと考えているのです。さらには、この組織が本来のまちづくりを真剣に考え続ける組織であって欲しいと思っているのですが、実際にはなかなかそうはいきません。でもまあ、全くないよりはマシかと考えているのですが…。

(4)既存住宅のまちづくり

 安定して育っているまちのように感じていても、様々な要素がその安定の存続を難しくすることがあります。例えば、地域のニーズに合わなくなった公園を更新したいといった内発的な要素や、都市計画提案制度等まちを支えるべき制度的変更、隣接する工業地に突然起こったマンション開発等の外発的な要素です。
 一般的には、既存住宅地には町内会的な組織しかありませんから、それがそのまままちづくりを検討する組織にはなり得ません。また、地域の人々も、「まち」の基本的なイメージについて共有できるものがありませんから、侃々諤々の議論から開始することになります。街発的な要素に対抗するためには、それでは間に合わないことも多々生じるわけです。

 こうした「既存住宅地のまち(あるいはまちづくり)を維持する組織」などと、肩肘を張った組織でなくても良いのですが、日常的な集まりの中で、自分たちの地域の特徴・魅力、地域内で起きていること等について話し合うような機会は欲しいものです。そうした小さなことが、その後の突発的な出来事にもスムーズに対応できる組織の形成につながっていくように思われます。
第2ステップの目標:事業化
 仮に地域住民の合意が得られて「計画」がまとまれば、あとは自動的に動いていくというものではありません。計画を実際に動かしていくためにはどうしたら良いか、考えてみましょう。
 (仮称)勉強会は、必要があれば事業実施のための新たな組織変更をしながら事業化に向けて動いていくことになります。
 より具体的には、次のような事項を考えていくことが必要になると思います。

(1)事業実施への計画の詰め

 私たちが「計画」と呼ぶものには様々なレベルがあります(参照:■まちづくりと「計画」)
 まちづくりの進捗状況によっては、構想と呼ぶべきレベルまでしか計画内容が詰まっておらず、さらに詰めが必要な場合があります。たとえそうでなくても、大抵の場合には、「計画」を実施に移していくためには、何回かフィードバックしながら、計画内容を具体的に詰めていくことが必要になります。
 地域住民からすれば少し理解しにくい面もありますので、状況に依っては「何度同じような計画をつくっていれば気が済むのか!」などと言われるような誤解を招くこともありますので、計画の進捗とともに、それを理解してもらうようなことも必要になります。
 コンサルタントにすれば、このあたりは技術や経験を最大限生かせる部分かもしれません。

(2)具体的な仕事の役割分担

 大抵の計画は大まかな骨格を定めただけのものであり、実施に移行するためには、詰めるべき詳細事項が沢山あるものです。組織も、勉強会レベルからいくつかの部会を中心に役割分担をしながら必要事項を詰めていくための、実施に向けた体制に移行する方が効率的に進められることが多いのです。
 そのため、事業実施に向けての段階では、いくつかの部会に必要な検討事項を分担して進めていくことが考えられます。一般的なまちづくりを想定して言えば、例えば、次のような部会が考えられるかもしれません。必要に応じて、そうした部会を設けながら、実施体制をつくっていくことになるでしょう。

・総務部会
 まちづくり事務的作業を分担しつつ、全体を統括する部会。全体を統括するものとして、委員会のようなものを立ち上げることもある。
・計画部会
 まちづくり計画の内容を具体的に詰める。
・経営部会
 まちづくりの資金的な事項を検討する。
・運営部会
 まちづくり全体の運営を管理する。
・イベント部会
 まちづくりを節々で盛り上げるための仕掛け(イベント)を検討する。

(3)資金的な手当

 まちづくりは、参加者(関係者)の何らかの負担が必要になります。それが単純な会合出席だけの場合もあるでしょうし、ボランティア労働的なこともあるでしょう。しかし、何と言っても最も大きな負担が経済的な負担です。これには、個人の権利・財産に係わる内容も含まれると考えて良いでしょう。
 まちづくりを支える事業費をどのように、個人個人が負担できるか、計画が特にずさんなものでなければ、それが明確にできるところまで話しが進めば、まちづくりの進捗率9割といっても過言ではないかもしれません。

 まちづくりの場合には、個々の負担の検討に入る前に、何らかの助成を前提として検討することが多くなっています。
#実は、この助成を得るための前提が、そのまちづくりの「大義名分」なのです。
 そのためには、助成を得るための話しを進めるタイミングがあります。それを逃してしまうと1年近くの期間を無駄にすることもありますので、当初から、そのタイミングを考慮しながら検討を進めることが必要になります。

 また、特に公的な補助金を得るような事業で、事業の内容によっては個々の経営状況の内容まで公表せざるを得ないような状況(決算書の提出が求められるなど)になることがあります。状況によってはそれを覚悟する必要があるということをあらかじめ知っておくことも無駄ではないでしょう。

(4)周辺住民の理解・支援

 まちづくりを行うと様々な周辺状況に変化が生じます。また、特にそれを期待して進めるまちづくりであったりするわけです。
 それらは当然、周辺居住環境に変化を及ぼすわけですから、周辺住民にも理解してもらい、可能な限り応援してもらえるようなものにしていく必要があります。
 例えば、商店街のまちづくりで市の補助金などを期待して進める場合など、周辺住民にも積極的に応援してもらえるようなものであることが望ましいわけです。それでないと周辺住民から「どうしてあんな自分たちだけのことを考えたまちづくりに市民の税金を使うのか!」と批判が生じても不思議ではありません。あまりにも具体的な例を出しましたが、こうした批判に応えるものが「大儀名分」なのです。

 今後は、まちづくりを進めるために、あらかじめ実験を行うケースも多くなってくると思われます。
 都市レベルですと、(例えば鎌倉市の交通実験のように)何年も実験ばかり繰り返しているように見える(^^ゞものもありますが、まちづくりの実験は、それが「成功だった」と皆か感じられるようなものにするために実施するべきだ、と考えてください。つまり、成功させるためにあらゆる準備をした上で実験を行うべきです。失敗するために実験をしても意味がないでしょう。
#以前コンサルティングを行ったある商店街では、周辺にどのような影響が出るか、敢えて何も準備しないで実験を行ったところがありました。結果は、周辺住民から様々な意見が出されて見事に失敗しました。事前に相談してくれれば良かったのに…と、悔やまれます。

 また、まちづくりの関係者の合意が得られていたのに、その会議に参加していない(参加することが求められてもいない)元有力者の反対でそのまちづくりがストップしたこともありました。

 まちづくりをストップする力はどこに潜んでいるかわかりません。注意深く周辺を見回しながら必要なポイントを抑えていくのは、まちづくりの当事者しかできないことなのです。

第1ステップの目標:計画
 「組織=勉強会」を立ち上げられたらまずは一段落といって良いでしょう。
 そしてそこですべき第1ステップは「これからどのように動かしていくか!」ということになると思います。それを整理することが「計画」であると考えれば良いでしょう。

(1)計画の内容

 まちづくりを安易に考える人は、「計画」=将来イメージだと考え、どこかの設計事務所の方にそれをお願いするかもしれません。しかし、それは全く根拠のないものですから、その通りに実現するはずはありません。むしろ、そうしたイメージを皆が最初に抱いてしまうと、現実に進めていく中でその将来像が崩れていくことによって「そんな筈じゃなかった」と言い出す人が現れたりと、却って円滑なまちづくりの障害になる可能性も無いわけではありません。今ではそんな進め方をする人はあまりいないと思いますが、昔は、再開発事を進める際に「最初に絵を描くな!」とはコンサルタント間では良く言われていたものです。
 
 つまり、「計画」の最終的なイメージは「将来像」であったとしても、それに至るためには、検討事項をきちんと踏まえた一定の手順の結果でなければなりません。それをまとめていくことが「組織」の第1ステップだと私は考えます。
 即ち、私が思い描く計画とは、以下の3つがセットになったもののことを言っていますが、「組織」はこれを「皆の合意」のもとに具体化にしていくことが必要になります。その意味で、最後に「合意形成」を加えておきます。
・プログラム=今後進めていくための手順が時間軸の上に表現されたもの
・事業費=実現するための費用及びその負担が明確にされているもの
・将来像=まちづくりの将来イメージ
・合意形成=地区住民の賛同を得ること

 明晰な読者は既にお気づきのことと思います。「大義名分」「金」「納得」「マネジメント」の4つ概念が、ここにも見られることを…。


(2)大切な「手順」

 これら全てを一人の人間がまとめていくことは不可能です(それができればあなたは私以上の優れたコンサルタントです(^^ゞ)。したがって、地元住民の代表とともに、何人かの専門家の参加のもとに、一定期間をかけてこれらをまとめていくことが必要になりますが、それができないと、「まちづくりの発意」は「単なる夢(絵に描いた餅)」に終わることになるのです。
 技術的には、この期間は1年もあれば十分可能だと考えているのですが、役所仕事ですと、この「計画」をまとめるのに数年かかることもあります。しかし、関係者の気持を考えると、私は、1年毎に何らかの成果を見るような進め方が必要であり、最初のステップは多少粗い計画(構想)であっても、徐々にそれを精緻化していけるようなプログラムで進めるべきだと考えています。

(3)コンサルタントの重要性

 コンサルタントには様々な人々がいます。大きく分けて次のような整理ができると思われます。私がコンサルタントと呼ぶ人々は、これらの①、②であるとお考え下さい。③は、限定された目的を達成するために効果的なコンサルティング(または主導的な役割)を果たしてくれる人々ですが、いわゆる「まちづくり」とはちょっと異なると私が考えているだけのことですが…。
①計画づくりを目的とするコンサルタント
 いわゆる「まちづくりコンサルタント」は、様々な人々の意見を引き出し、とりまとめていく人々であると考えられているように思われます。コンサルタント業界の言葉で言えば「調査・計画」を本業とする人々(計画屋)になります。②で述べるような技術的側面より、どちらかと言えば「調査を行い、計画書をとりまとめるとともに、人々への説明業務」等を得意としています。
②事業推進を目的とするコンサルタント
 いわゆる市街地再開発事業、土地区画整理事業等、法定の事業を進めるためのコンサルタントの人々です。いわゆる「事業」を本業とする人々(事業屋)です。これらの業務には、設計・法律・財政・権利変換等の諸技術が必要とされることから、大組織で行っていることが通常です。
③その他コンサルタント風の人々
・商店街などに係わる中小企業診断士などの人々=商店街診断を行ったり、最近ではTMOの経営等のコンサルティングを行うこともある。
・特定の事業(商業施設開発等)についてプロデューサー的な役割を果たす人々=施設のコンセプト~業種・業態~テナント誘致等まで含めて行う。

 業務を発注しようとする役所の人々にさえ、①と②の区別はあまり明確にされていないようにすら思われることがありますので、一般の人にはさらにその区別は明確ではないように思いますが、実は極めて重要であると私は考えているのです。
 コンサルタントという業務では、①と②は大きく異なった発想をしているものです。端的に言えば(極端に言いすぎですが)、
・計画屋は、大義名分を大切にし、計画的整合性を重視し、立派な計画書づくりに熱を上げがちになります。悪くすれば、「立派な計画書はできたけれど、まちづくりはさっぱり…」ということになりかねません。
・事業屋は、事業の完成を大切にし、事業実現のための事業費・権利調整的側面を重視し、事業を実現することに熱を上げがちです。悪くすれば「何とか事業は実現したけれど、こんなものを実現するために…。もっと何とかできたのではないか…。」ということになりかねません。

 そして、この双方を経験しているコンサルタントは極めて少ないということも知って下さい。つまり、まちづくり全体をバランス良く見渡し、コンサルティングできる人は意外と少ないのです。

 ある首都圏近郊都市の区画整理事業地区では、まちづくりには住民合意が必要だと言うことで、区画整理事業の実務を知らない①のコンサルタントが、住民参加の下に、地区住民も望ましいと考える理想的な区画整理事業の構想をまとめました。現実に、それに基づいて区画整理事業を開始したのですが、つまり具体的にどのような手順で事業が進められることになるのか、途中段階でどのような問題が発生するのか、知らないままで作られた計画でしたので、実際に事業が動き始めると様々な問題が発生してきました。
 このまちづくりの進め方のどこに問題があったのか、今更考えても仕方ないことなのですが、まちづくりの性格を良く考慮し、適切なコンサルタントの選定が行われていれば十分避けられた問題であることは確かなことなのです。



 いずれにしても、「適切な計画」がまとめられさえすれば、後はそれに基づいて実施すれば良いだけの話しだと思うのですが、いろいろゴタゴタすることの大半の原因は、次のようなことなんじゃないでしょうか?
・この計画づくりのどこかがおかしかった。
・計画の次のステップが用意できなかった。 等々
 私が、コンサルタント選びが重要だという意味は、「計画内容」を大きく左右しうる存在だと考えているからです。

組織を立ち上げる
 まちづくりは、組織ができてそれが順調に動き出しさえすれば、後は何らかの動きを見せていくものです。この「組織づくり」が初動期の最も重要なところになります。

(1)最初が大切

 組織の立ち上げでは、その後を順調に動かしていくために、最初が大切になります。
 通常は、それまでリーダー・シップをとってきた人がそのまま組織運営の中心を担っていくことになるのですが、まちづくりの動きも様々ですから、自動的にそうなることが良いわけではありません。
#企業が地元に頼まれて動き始めることもないわけではありません。

 つまり、何らかのまちづくり組織(最初は「○○勉強会」などと呼ばれることが多いようですが…)の体制をつくることが必要になるのですが、特に、会長・副会長等の人選が重要になります。つまり、この方々が、関係する地区住民にきちんと認知された組織とすることができるかどうか、にかかっていると言っても過言ではありません。
 そのために、わざわざ地区の全体集会を開き、今後の進め方の説明等を行うとともに、そのような人選で良いかどうかを確認する手続きが必要になるのです。
#その方が、結果的に良かったということも多いのです。

 もっと、慎重に進めるのであれば、会長や会員の人選方法まで皆に問いかけることになります。

 先日の例は、地域住民の中に特殊な人がいて、その方が企業の動きを否定し、そして、自分だけの考えで勉強会を進めようと図ったということだったのです。
 その方は、それができるだけの事務能力と社会的な地位も備えていたので、地域住民からも特に反論が出ず、会議がその方の信じる方向に導かれてしまったということになったのです。しかし、それは(私が思うには)あまりにも偏った方向であって、必ずしも好ましいとは思えない方向であったということなのです。しかも、その方は最後までまちづくりを引っ張っていく考えはなく(ご自身も忙しくてそれができない)、自分の考えるメンバーでその会議が出来さえすれば良いと考えているようでした。
 このような会で良いかどうかは、私にははなはだ疑問なのですが、今のところ特に疑問を差し挟む人がいないので、とりあえず、それで進めるしかない状況になっています。



(2)メンバーの構成

 (仮称)勉強会とは決定機関ではなく、様々な方向を実質的に検討し、皆に図るための原案を作成することが求められます。
 また、会議の結果を皆に周知していくことも必要とされる筈です。
 したがって、メンバーを構成するために注意すべきこととして次のようなことが揚げられましょう。

・大げさな会議ではなく、自由な発言ができる人数→10~せいぜい10数人
・名誉職ではないので、実質的に動ける人
・できればそれぞれの地域にフィードバックできるよう、地域の代表となる人
・地域の人々の意見を聞きながら物事を進められる人

 こうしたメンバーの中から、最もリーダーシップを発揮できる、人望のある人が会長に選ばれることが望ましいでしょう。
 確固として信念を持っていることは重要ですが、それがあまりにも独善的な意見で皆を引っ張っていこうとする人は、会長には向かないと考えた方が良さそうです。

(3)勉強会の運営

 まちづくりというのは、必然的に様々な制度が絡み、周辺の住民にも関係してくることです。したがって、物事を決定するのに、自分たちだけの考えで進めることはできないと考える方が良いでしょう。
 そう考えると、自分たちだけで全ての作戦を立て、まちづくり事業を進めることの大変さや効率の悪さにも自然に気づくと思います。そこに、市役所の(担当)職員やコンサルタントに入ってもらっていた方が、会議が無駄になることもなく、効率的に進められるようになるであろうことも理解していただけると思います。

 また、円滑に進めていくためには、地域住民には、勉強会でどんなことが議論され、どのような方向に進もうとしているのかを常にわかっていてもらうことが重要になります。
 「まちづくりニュース(かわら版)」や、節目での全体会議等が開催されるのは、そのためなのです。
#コンサルタントから見ると、あまりにも形式的なものも多いのですが(^^ゞ。



 このようにして初めて、「まちづくりが実質的にスタートがした」と言えるんじゃないかと思います。
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